『しんぶん赤旗』2007年11月29日付

大学自治守れ
仏3万人デモ


【パリ=山田芳進】フランス全土で二十七日、大学生・高校生約三万人が八月に成立した大学自治法に反対するデモを行いました。仏本土の八十五の大学のうち、四十六校で閉鎖または休校となっています。

学生たちが反対しているのは、「大学の自由と責任に関する法」で、通称大学自治法、または提案者であるぺクレス高等教育・研究大臣の名前を取って、ぺクレス法とも呼ばれています。

「真の大学の自治」を選挙公約の一つにしていたサルコジ大統領の方針に基づいて成立した法律は、大学の「国際競争力の強化」、大学運営における学長の権限の強化などを主目的とし、財団の設立(企業も出資者となれる)による、財政上の「自治」を可能にするものとなっています。

これに対し学生側は、夏休み中に法律が成立したこともあり、休み明けの十月から、同法は「大学の民営化につながる」「選抜(入学試験など)の導入につながる」「大学運営における学生の声が反映しにくくなる」などと声を上げ、反対運動に火が付きました。同月下旬から、各大学で学生大会が開かれ、閉鎖や休校に追い込まれる大学が増えていきました。