『中日新聞』2007年12月1日付 共同体構想へ一歩 名古屋など4大学 名古屋市東部の山手地区に本部を持つ名古屋大(千種区)と中京大(昭和区)、南山大(同)、名城大(天白区)の4大学は、それぞれの得意分野を伸ばしながら地域全体の底上げを図る大学共同体構想の具体化へ向けて動きだした。国公私立の枠を超えて、共同で研究活動や人材育成を進める動きは中部で初めて。 構想は「名古屋山手4大学コンソーシアム構想」と呼ばれ、名大の呼び掛けで検討が進められている。各大学の教職員が専門的な共通意識を持って質の高い教育や学生指導ができるよう教職員向けの教材開発、施設の共同管理を検討するための予算を文部科学省が来年度の概算要求に盛り込んでいる。今後、教職員の交流や単位互換、共通の教養プログラム、施設の相互利用など教育研究面のほか、学園祭の共同開催、学生生活の支援など具体策を検討する。 4大学は名古屋市の千種、昭和区にまたがる山手グリーンロード周辺に近接し、人的交流にも有利な条件にある。一部学部などで交流はあるものの、大学単位での交流はこれまでほとんどなく、地域としての情報発信力も弱かった。 名大の平野真一学長は「各大学の強みを結集し、教育や研究の質を高め、国際競争力のある質の高い人材育成を進めたい」と意気込んでいる。 |