『紀伊民報』2007年11月28日付

来年度、正式スタート 和歌山大学の観光学部


和歌山大学の小田章学長は27日、開講を目指している観光学部について、文部科学省から設置許可の内示があったと発表した。2008年度から学部設置が正式に決まったことを受け、小田学長は「観光産業や地域再生に役立つ人材を育成し、観光を支える重要な拠点として頑張っていきたい」と抱負を語った。

小田学長はこの日、和歌山市内のホテルで会見し、「2004年の記者会見で初めて観光学部の構想を打ち出し、さまざまな関係者の後押しもあり学部設置に至った」と述べた。国立大学で観光学部を置くのは和大が初めてという。

和大は今年4月、経済学部に観光学科(定員80人)を新設。6月には文科省に対し、観光学部設置を申請した。

新設する観光学部の定員は110人。観光産業や集客交流産業で活躍する人材育成を目指す「観光経営学科」(定員60人)と、観光行政などで企画立案できる人材を育てる「地域再生学科」(定員50人)の2学科を設ける。小田学長は「将来的には観光文化学科も設けていきたい」と話している。

観光学部の拠点は当初、和歌山市内の中心市街地に設置する構想を打ち出していたが、拠点に予定していた建物の賃貸契約が合意に至らず、来年4月からは大学の学舎を活用する方針。

観光学部の教員は、現在の観光学科の16人から9人増員して25人体制にする。学部長に、関西大学名誉教授(経営学)の大橋昭一氏が就任する。

観光学部の設置が決定したことを受け、仁坂吉伸知事は「人材の育成や観光情報の蓄積と発信がなされ、県の観光地にも新たな磨きがかかるものと期待している」とコメントを出した。