『山陽新聞』2007年11月26日付

来年度から岡山大 感染症封じ込めへ 専門家養成プロジェクト
AMDAと協力 大学院に2コース


新型肺炎(SARS)や鳥インフルエンザなどアジア発の感染症が脅威となる中、岡山大は2008年度、感染症対策の専門家を養成するプロジェクトを始める。大学院に2コースを新設し、国際医療ボランティアAMDA(本部・岡山市)などと協力して実践的な教育を行う。

プロジェクトは、文部科学省の大学院教育支援プログラムの1つ。国際医療保健コース(2年)と国際臨床研究コース(4年)で1学年計10人程度募集する。研究費は3年間で1億4000万円。

感染症や疫学の基礎的な座学に加え、3、4人ずつのグループで研究。マラリアなどの治療や、蚊帳の配布といった予防対策を学び、海外でのAMDAの災害救援活動に同行することも計画している。

連携先はAMDAのほか、結核研究所(東京)や岡山大の感染症研究拠点があるインド・コルカタの国立コレラ・腸管感染症研究所などで、講師の派遣やフィールドワークの場を提供してもらう。岡山大が大学間協定を結んでいるインドネシア・ハサヌディン大、中国の北京大などともカリキュラムの策定や大学院生、研究者の相互乗り入れを検討している。