『高知新聞』2007年11月22日付

高知大学長選考 学生が署名2085人分提出
相良学長と直接対話要望


高知大学の学長選考問題をめぐり、学内意向投票の真相究明などを求めて署名活動を行っていた同大の学生有志が21日、集まった2085人分の署名を大学側に提出した。学生らは「これだけ多くの学生が(一連の経過を)問題に思っていることを、学長と選考会議は重く受け止めよ」などと訴えたが、同日は相良祐輔学長が不在だったため、秘書課職員が後日、学長との対話の場を設ける方向で対応した。
(高知大学長選考取材班)


同大の次期学長選考は「ミスか不正があった」とされる学内意向投票の結果を参考に、学長選考会議(議長=篠和夫・農学部長)が先月17日、相良氏の再任を決定。これに対し、教授会などが決定無効を訴えたのに続き、人文、教育、理、農学部の学生有志が「公正な大学運営を求める学生の会」を結成。約1カ月にわたって署名活動を展開していた。

有志らは、21日までに同大の全学生の約4割に当たる2085人分の署名が集まったことから、「常時、大学に来ている学生数を考えると、実質的には大半の学生の賛同が得られた」と判断。署名を相良学長と篠議長に提出するとともに、選考会議が学長に設置を要望している調査委員会について▽学長は調査委設置を選考会議に委任し、関与しないこと▽学長として公開の場で学生の疑問に直接答えること−−などを求めた。

この日は有志ら約30人が、「学長と選考会議は不透明な大学運営を押し通すのでなく、学生や教職員に対し、誠実な説明を」などと訴え、同大朝倉キャンパスをデモ行進。相良学長が出張中で不在だったため秘書課に署名を提出し、学長との対話の場を設定するよう同課に求めた。

有志代表の1人で人文学部4回生の北代かほりさんは「4年間楽しく過ごした大学が、不透明に学長を決める大学であってほしくない。これは高知大だけの問題でなく、地域の教育現場で起こっていることとして、県民市民にも関心を持ってほしい」と話していた。