『日本経済新聞』2007年11月19日付

大学奨学金、上限アップへ・文科省方針


大学生の奨学金事業について、文部科学省は2008年度から有利子奨学金の上限を学部で現行の月10万円から12万円に引き上げる方針を固めた。意欲のある学生の経済的自立を支援するのが狙い。大学院は月13万円から15万円とし、入学時に貸与する一時金(30万円)の対象者も5万人から6万人に増やす計画だが、財務省は拡充に消極的で、増え続ける卒業後の滞納も問題となりそうだ。

現行の有利子奨学金の貸与月額は、学部で3万、5万、8万、10万円、大学院で5万、8万、10万、13万円のいずれも4種類の金額から選択する仕組み。文科省はそれぞれ上限額を2万円上積みした12万、15万円の選択肢を新設し、5種類の金額から選べるようにする方針。