『陸奥新報』2007年11月17日付

医療・福祉新産業で弘大提案の2事業採択
実現へ年度内調査


医療・健康福祉分野の新産業づくりを目指す「あおもりウェルネスランド構想」に絡み、県は16日、公募していた「医療・健康福祉関連産業ビジネスモデル構築事業」の採択結果を発表した。採択されたのは、いずれも弘前大学大学院医学研究科が提案した(1)医療施設間連携による医療情報共有システムのビジネスモデル化(2)感染症病原体の簡易迅速センサーチップ製品化のビジネスモデル構築―の2件。両モデルは今後、県から事業委託を受けて今年度中に実現の可能性や市場性などを調査、報告をまとめる。

同事業は企業などの参画の下、県内外のユーザーを対象に実現可能なビジネスモデルを構築する取り組みを県が委託する。委託費は両モデル合わせて600万円。

(1)は基幹医療機関(弘大付属病院など)の患者情報を地域の病院・診療所が参照可能とするよう、専用回線で結ぶ新たな医療情報共有システム開発のビジネスモデルを構築する。施設連携による地域医療の適正化と活性化、医療資源の有効活用を図り、本県発の地域医療連携情報システムの早期実現を目指す。

事業は弘大大学院医学研究科が弘前市立病院と同市のマルマンコンピューターサービスとともに実施する。

(2)は感染生体防御機構(病原体の判別機)を1つの基板に集積、インフルエンザなどの感染症病原体を従来より迅速、簡易、安全、安価に検出できる「センサーチップ」の試作と製品化に向け、ビジネスモデルを構築。実用化された場合、食品加工業や介護老人福祉施設などでの活用が見込まれる。弘大大学院医学研究科が八戸市のアンデス電気と事業を行う。