『東京新聞』2007年11月14日付 横浜国立大 独自ブランド第1弾 カップめん開発し大人気 少子化に伴い、大学全入時代が近づくなか、学生の興味を引きつけるために大学側が生き残りをかけて独自性を模索している。大学の研究成果やシンボルマークを使った商品開発もそうした動きのひとつ。二〇〇四年に独立行政法人化された横浜国立大学(横浜市保土ケ谷区)も私大に負けまいと、独自ブランド商品の開発に乗り出している。 (小川慎一) 同大は今月五日から、独自ブランド商品の第一弾として、大学生協内でカップめん「カラッチーノ」の販売を始めた。一個七十円でサイズは小さいが、唐辛子の辛みが利いたペペロンチーノ風味。ラーメンとしてだけではなく、湯切りしてパスタとして楽しめるのも魅力だ。 一週間で千七百個を販売するほどで、「予想以上の売れ行きに正直驚いた」と同大広報渉外室の担当者。夜遅くまで学内で研究を続けている工学部系の学生が五、六個まとめ買いしていることが多いという。 同大の若手職員が今年八月、ブランド製品の開発プロジェクトを発足。「横浜と言えば中華。中華と言えばラーメン。また大学と言えば、リポートや試験での得点の厳しさを表す『辛い』だ」とアイデアを膨らませ、手軽なカップめんの開発につなげた。栃木県内の業者の協力を得て、商品化にこぎつけたという。 同大は、これまで大学生協が製作、販売していたTシャツやリストバンド、携帯電話ストラップについても、独自製作に乗り出した。七月に制定したカモメをモチーフにしたシンボルマークを入れて販売するという。 また同大周辺にキャベツ畑が多いことをヒントに、地域の農家や県内の酒造会社の協力を得て、キャベツの成分を入れた「キャベツワイン」の販売も行う予定だ。キャンパス内に未成年もいるということで、大学近くの酒店での販売となるが、同大は「クリスマス前にお店に並べることができれば」と話している。 国立大の独自ブランド商品 東京大学では東京都文京区の本郷キャンパスに「コミュニケーションセンター」を開業し、学内の研究成果を活用して開発された泡盛やサプリメントのほか、衣類や靴に防臭効果がある光触媒シートなどを販売している。北海道大学ではハムやソーセージ、山梨大学ではワイン、熊本大学ではコーヒーなど、地域性を生かした商品の販売をする大学も多い。 |