『北陸中日新聞』2007年11月9日付

富大が文系総合大学院 2010年春 人文や芸術など横断


富山大(事務局・富山市)は八日、人文、社会、芸術の分野を横断した新しい文系の総合大学院を二〇一〇年四月に設置する方針を明らかにした。統合で規模が大きくなったメリットを生かし、それぞれの学問の枠を超えて協力し合うことで、新しい学問領域の創造を狙う。

同大は二年前の再編統合で医学、薬学、理学、工学の四分野を融合した生命融合科学教育部を創設し、理系大学院については充実を図った。一方で、人文、教育、芸術の文系大学院は博士課程を持っていなかった。

統合で生まれた人間発達科学部と芸術文化学部の学生の卒業後の受け皿とするとともに、増加しつつある東アジアの留学生のニーズに応えるため、分野を融合させて博士課程を持つ大学院を創設することにした。

山西潤一副学長は「統合によって多様な人材がおり、これまでのように学部の上に大学院を設けるよりも、新しい学問領域をつくった方が、地域や学生の要請に応えられると考えた」と話している。

また、現在三つのキャンパスでそれぞれ実施している教養教育についても、一〇年四月の一本化を目指す。 (富山支局・稲田雅文)