『毎日新聞』2007年11月8日付 <博士>依然として就職難 企業側「視野狭く、扱いにくい」 大企業の今春の研究開発従事者採用で、学士や修士の採用を増やそうと考えた企業が2〜3割あったのに、博士課程修了者やポスドク(短期の任期付きで大学や研究所で働く博士)を増やそうと考えた企業は1割未満にとどまったことが、文部科学省の調査で分かった。企業側に「博士は専門性にこだわりすぎて視野が狭く、扱いにくい」との思惑があるとみられ、博士の就職難が依然として続いていることが浮き彫りになった。 調査は今年2〜3月、研究開発部門を持つ資本金10億円以上の企業1791社に実施、896社から有効回答を得た。研究開発従事者の採用を増やすと答えた企業が学士は23.6%、修士は30.9%あったが、博士は7.7%、ポスドクは3.0%にとどまった。 一方、これまでに採用した人材については、「期待を下回った」との回答が学士で31.1%に達したが、学歴が上がると割合が下がり、ポスドクでは8.1%だった。 文科省は「採用した博士がたまたま企業のニーズに無関心だったなどの経験があるため、採用を手控える企業が多いようだ。コンスタントに採用している企業ほど博士への評価は高い」と分析している。【西川拓】 |