『高知新聞』2007年11月8日付「声 ひろば」(投書欄)

高知大学長選の不可解な3点


長年私が勤めさせていただいた高知大学の学長選考で不思議なことが起こったようですね。私は現在高知を離れており、私の地元の新聞にはこのことが全く出ていませんので、友人が新聞のコピーを送ってくれるまで何も知りませんでした。真理探究の場、学問・教育の場である大学でかくも不明朗なことがまかり通ってしまうなら、大学の真価を問われる大問題であり、大学の存亡にもかかわりかねません。私は在職中に何度か学長選挙の立会人を務めましたが、今回の選挙には三つの不可解なことがあります。

その一、学内意向投票数が二十票動いた怪。学長選考ですから慎重な上にも慎重に作業が進められたはずで、開票時のミスは考えられません。

その二、開票作業が終了し票を金庫に保管した後に、票を整理するために、事務職員二人だけで金庫を開け、ミスを発見した怪。このような作業には必ず教員である委員長または代理人が立ち会うもので、事務職員だけで行ったのは極めて不可解な行為です。

その三、たとえミスから生じたことであったとしても、それは学内の管理・責任体制の「たが」が緩んでいるからであり、学長・事務局長は重大な責任をとるべきです。そのことを全く感じていないかのような鈍感力の怪。

大学は地域に支えられながら、地域に一定の役割を果たしている組織です。自由民権の地にふさわしい大学をつくるために、学長選考が不明朗さを残さず解決するよう期待しています。

【竹内衛三=67歳・高知大学名誉教授、沖縄県宜野湾市志真志】