『日刊工業新聞』2007年11月7日付

国際大学知財本部コンソーシアム、参加7大学が決定


山梨大学、新潟大学が中心の国際大学知財本部コンソーシアム(東京都港区、貫井英明理事長=山梨大学長、03・6413・6226)が参加合計7大学で固まってきた。国際的な産学官連携は中堅大学単独では負担が大きいため、専門人材の研修や英文契約書サンプルの作成・利用などを共有化し、特許も複数大学で集めて外国企業・大学に売り込む仕組みだ。文部科学省の知的財産本部事業で実績がある2大学に加え、eラーニングシステムや中国の産学官連携の展示会参加など、各大学が得意分野ごとにリーダー役を果たしそうだ。

6月設立の国際大学知財本部コンソーシアムに参加意向を固めたのは4国立大1私立大。大学名はまだ明らかにしていないが、ワーキンググループで活動を始めた。人材としてコンソーシアムはまず、国際交渉の高度な能力を持つ共有人材を2人ほどを雇用。さらに各大学で国際利用が有望な学内特許などを扱う専門人材2人、職員1人程度を、共通教材を使って育成。すでに米国法律事務所から講師を招き短期研修を実施した。大学間は既存のテレビ会議システムに加え、参加私立大が構築した先進のオンデマンド教育システムを活用する。また、重要度の高い英文契約書作成では、共同研究・秘密保持・試料提供など形態別・国別のサンプルをコンソーシアムで作成し共有する。

特許での相乗効果は例えば、山梨大の燃料電池関連(約100件)と新潟大が世界に誇る水素センサー技術を合わせ、パッケージ化して外国企業・大学に提案する。さらに欧米の産学官連携で進んでいる山梨大と、中国・韓国・ロシアに強く地元自治体の姉妹都市と連携が期待できる新潟大により対象地域が広がる。国際的な展示会や契約・訴訟のリスク情報なども共有していく。