『新潟日報』2007年11月7日付

学長選の意向調査尊重求める


任期満了に伴う新潟大の学長選考で、同大学の教員有志が6日、教員の意向投票の結果を尊重するよう求める集会を新潟市の同大学五十嵐キャンパスで開いた。学長選考は前回2005年、2次意向投票で次点だった候補が選ばれた経緯がある。集会で教授らは「大学構成員の意思をくみ上げるべきだ」などと発言し、アピール文を採択した。

次期学長候補は、下條文武・大学院医歯学総合研究科教授、田村詔生・教育研究院自然科学系長の2人。これまでに教員らによる2度の意向投票を実施し、いずれも下條氏が1位だった。

学長決定の権限は、学内の理事や学外委員で構成する「学長選考会議」が持ち、同会議は8日に意向投票結果を参考に話し合い、学長を決める。

集会は、各学部の教授ら9人の呼びかけで開催。教授ら約40人が参加した。集会では、前回は2次投票で2位の候補が選ばれ、選考会議が審議過程を明らかにしなかったなど経緯を説明。「教員を無視した選考が繰り返されてはならない」と訴え、意向投票結果を尊重するよう求めるアピール文を採択した。

集会の呼びかけ人で、前回選考を不服として民事訴訟で係争中の原告、渡辺勇一・理学部教授は「教授らの信任を得ていない人が学長になっても求心力はなく、大学の自治を放棄するようなものだ。選考会議は良識ある判断をしてほしい」と話している。