『長崎新聞』2007年11月1日付 来年から6大学院と単位互換 長崎大大学院生産科学研究科 長崎大大学院生産科学研究科は二〇〇八年四月から、全国六つの理学、工学系の国立大大学院間の単位互換制度を導入する。それぞれの研究の特色を生かし、幅広い視野を持つ人材を育成するのが目的。大学院の全国的なネットワークによる単位互換は全国で初めて。十一月十二日に長崎市で協定締結式がある。 協定に参加する大学院は長崎大と千葉大、新潟大、金沢大、岡山大、熊本大。いずれも前身は旧医科大で、約二十年前に複数の学部が融合した大学院として発足。以来、研究会議などの交流を続けていた。 長崎大大学院生産科学研究科は一九八八年、海洋生産科学研究科として設置し、現在は工学、水産学、環境科学を融合。博士前期課程(マスターコース)、博士後期課程(ドクターコース)がある。ほかの大学院の特徴としては、千葉大の園芸学、金沢大の遺伝学情報などがある。 長崎大には自然科学などの理学系がなく、単位互換によって研究分野が広がる。逆に長崎大には、練習船「長崎丸」による海洋実習など水産学の特色がある。 最初は主として、社会人も多く在籍する専門性の高いドクターコースの連携を図る方針で、滞在費を配慮した集中講義など、具体的なカリキュラムを検討している。コンピューターを活用した遠隔授業も考えている。ほかの協定大学院での授業料は無料。 長崎大大学院生産科学研究科の石田正弘科長は「学生、教員が交流を広げながら、幅広い研究ができる。全国に点在する大学院で、各地の特色を学ぶ上でも意義がある」と話している。 |