『高知新聞』2007年11月1日付

高知大しっかりしろ
学生有志ら学長再選考訴え集会


高知大学の学長選考問題をめぐり31日、高知市曙町二丁目の同大朝倉キャンパスで、教職員組合と学生有志らが「公正な学長選考を求める全学集会」を開き、学長選考のやり直しなどを訴えた。当初100人足らずだった参加者は徐々に増え、200人近くに。話に耳を傾けていた1回生の男子学生は「(一連の不透明な学長選びを)高知大生としてあらためて恥ずかしいと思った。大学はもっとしっかりしてほしい」と感想を漏らした。

同大の学長選考は「ミスまたは不正があった」と認定された学内意向投票を参考に、学長選考会議が相良祐輔現学長の再任を決定。教育、人文、理学の3学部と大学院の一部学科の教授会などから選考無効を訴える声が相次いでいる。

集会では、同大教職員組合の種田耕二・中央執行委員長が「信じられないことが今、高知大で起こっている。決してうやむやにせず真相究明を」と強調。教授らが次々とマイクを握って「現学長が説明責任を果たさないのはおかしい。今日の事態の最大の被害者は学生だ」と指摘し、「どうすることが一番大学のためになるか考えていこう」と呼び掛けた。

学生の有志は「私たちが大学で学びたいのは、利権争いや不正が許される社会じゃない」「学長が誰になろうと関係ないという学生もいるが、不透明な選考過程を見過ごすことはできない。今のままでは胸を張って『高知大生です』とは言えない」と訴えた。

集会は昼休みの1時間足らずだったが、こうした呼び掛けに、遠巻きに見ていた教職員が1人2人と参加。食堂に向かっていた学生もその場に立ち止まり、うなずきながら話に聞き入っていた

集会を開いた学生有志によると、選考会議に真相究明と公開の場での明確な説明を求めて展開している署名活動への賛同者は、同日までの1週間で約600人に上っているという。
(高知大学長選考取材班)