時事通信配信記事 2007年11月1日付

教員免許更新制に備え5国立大が講習試行へ


2009年度からの教員免許更新制に向けて広域で連携する方針を固めた鳥取、島根、岡山、広島、山口の国立5大学は1日、松江市内で教育学部長らによる初会合を開いた。この中で、各大学は、国が08年度に計画する更新講習の試行事業に共同で参加する方針を確認した。

連携では、講師となる教員の県境を越えた相互派遣や講習会場の共同利用などが考えられており、実現すれば、中山間地域などで講習が受けやすくなる利点がある。免許更新制に備えた複数大学の連携は全国で初めて。

同日の会合では「良い講習を提供できるよう情報交換したい」(広島大)、「講習日時の調整などで共同歩調をとりたいが、強い連携である必要はない」(岡山大)などの意見が出て、緩やかな連携組織の下で講習プログラム作りのための情報交換や、ホームページの共同管理などから着手する方針を確認。その上で、更新講習の試行事業に5大学で参加する方針を申し合わせた。

講師や施設の数など各県ごとに事情が異なるため、各大学は協力体制を改めて協議する。5大学連携は文部科学省も注目しており、会合に出席した同省幹部は「先駆的で、汎用性が高い取り組み」と評価した。