『読売新聞』福島版2007年11月1日付 福島大が来年度、理系大学院を新設 福島大は2008年度に、同大初の理工系大学院「共生システム理工学研究科」を新設する。自然科学だけではなく、心理学や社会学など人文社会系の学問も組み合わせ、環境や産業などと人間が「共生」していくシステムづくりを研究する。同大は、研究科の設置によって、理系の学問を体系的に学びたい高校生を取り込むとともに、産学連携の強化を図りたいとしている。 同研究科は、共生システム理工学類の研究内容を発展させた研究を行う。構想では、人間―機械システム、産業システム、環境システム、数理・情報科学、物質科学の5分野で構成される。定員は60人。 例えば、人間―機械システム分野では、機械工学と福祉の知識を応用し、車いすの開発を行うなど、従来の学問体系より実践的な研究を行う。環境システム分野では、環境の解析にとどまらず、河川の水質や大気汚染の浄化に取り組む。県内企業との連携や県などの自治体との共同研究も視野に入れている。 同大は、文部科学省に設置を申請しており、11月に認可される見込み。08年度予算の概算要求には、大学院設置のための設備経費として約3億9000万円を盛り込んだ。 地元の福島市では「これまでは東北大や新潟大に行っていた理系の人材が、福島大に集まり、地元企業に就職して地域に貢献してほしい」(清野一浩・企画政策課主査)と期待を寄せている。 同学類の入戸野(にっとの)修学類長は「これまでの理系大学院とは違い、企業の即戦力になる人材を育てていきたい」としている。 |