『朝日新聞』2007年10月31日付 工事めぐり6点の法令・内規違反 東北大入札逃れ問題 東北大学病院(仙台市)の契約をめぐる一連の問題を調査していた同大の調査検討委員会(委員長・渡辺誠副学長)は30日、手術室工事の契約の過程に法令・内規違反が6点あったとする調査結果をまとめた。また、都内の医療機器販売会社が大学への多額の寄付を足がかりに関連病院への販売実績を上げようとした営業攻勢が一連の問題の背景にあった、と指摘した。 調査報告は、手術室工事の随意契約を公表しなかったことが公共工事入札・契約適正化法に違反したと指摘。入札を逃れるために工事を3分割発注して随意契約した▽契約書類を工事後に作成した――など5点が大学の会計規程などに違反すると結論づけた。 また、同病院が医療機器販売会社から06、07の両年度に現金1100万円と、約2500万円相当の医療機器や備品などの寄付を受けていたことを明らかにした。これらの寄付については、同社が、以前から取引していた関西の大学から東北大に眼科教授が就任したことを契機に、病院への販売実績を上げる意図で行ったと指摘。一方で渡辺副学長は「(同社と教授の不適切な関係は)確認できなかった」と述べた。 東北大は同日までに報告の概要を文部科学省に報告した。今後、学内の懲戒委員会で職員らの処分を決める。 |