『読売新聞』2007年10月30日付 企業の研究職社員、学士の3割期待外れ…文科省調査 研究職で採用した社員が「期待を上回った」と考える企業は1〜2%程度にとどまっていることが、文部科学省の調査でわかった。 「期待はずれだった」とする企業の割合も、大学の学部卒者(学士)で3割にのぼるなど、企業に利益をもたらす新規事業や新製品開発を担う中心的な人材として採用されながら、期待に沿えない企業研究者が相当数いることが浮き彫りになった。 調査は今年2〜3月、研究開発を行う資本金10億円以上の企業1791社を対象に実施。過去5年間に採用した学士、大学院の修士、博士の各課程修了者、博士号を取得済みの「ポストドクター(ポスドク)」の四つに分けて、研究者の資質などを聞いた。有効回答は896社。 調査の結果、「期待を上回った」と答えた企業の割合は学士で1%、修士1・4%、博士2・6%、ポスドク2・2%にとどまった。 一方、「期待はずれ」とした企業の割合は、学士で最も多く31%にのぼった。修士では26%、博士15%、ポスドク8%で、学歴が上がるほど低くなった。 こうした結果について、企業側は「専門外に弱く、独創性がない」「社会での経験に乏しく、企業が社会から求められている事柄に無関心」などの理由をあげている。 |