『岩手日報』2007年10月29日付 教職大学院の創設検討 岩手大 岩手大(平山健一学長)は、2009年度から大学院を再編する方針を固め、学内での検討に入った。教育学研究科(定員84人)は、指導力のある教員を養成する「教職大学院」の創設を目指し、現在の3専攻の枠組みを見直す。人文社会科学(同12人)、工学(同258人)、農学(同134人)の3研究科も専攻改編や定員拡充などの方向で調整を進めている。学内の組織検討委員会は、年度内に大学院を中心とする全学改革案をまとめる方針だ。 改革案は、修士課程を中心とした改組を検討。構想としては「教職大学院」の開設に合わせ、現在3専攻ある教育学研究科の内容をどうするか検討中だ。教職大学院は、より実践的で専門的な力を持った教員養成を目的とする。中央教育審議会(中教審)が、その在り方を提言していた。文部科学省が08年度からの開設を認可する。全国の教員養成系大学などが設置を検討している。 人文社会科学研究科は、臨床心理士養成の充実を図るため、人間科学専攻を中心に現3専攻の定員を拡充する。 工学研究科は、「安全安心なものづくり」の視点を強化する。現9専攻を7専攻にくくり直し定員も増員、社会のニーズに応える。 現情報システム工学を基盤とした「コミュニケーションデザイン工学専攻」や現建設環境工学と福祉システム工学を基盤にした「社会環境工学専攻」などを想定。新たな分野も加わることから、教員採用も検討する。 農学研究科は、現2専攻を5専攻に増やす。寒冷圏の研究者養成へ「バイオフロンティア専攻」などを視野に、本年度5課程に再編した学部体制に合わせて改組する。 修士課程以外では工学部、工学研究科と連合農学研究科の博士課程の定員拡充なども検討している。 岩手大は政府の改革要請や学生定員の適正化などへの対応として、組織改革の必要性が迫られ、05年から協議を進めている。今後、検討委は最終調整に入るが、方向性や枠組みについては流動的な要素もある。 |