『紀伊民報』2007年10月28日付

中心街の設置白紙 和歌山大学観光学部の拠点


和歌山大学の小田章学長は26日、来春開講予定の観光学部の拠点を和歌山市内の中心市街地に設置する構想を打ち出していたが白紙になったと明らかにした。拠点にする考えだった建物の賃貸契約が合意に至らなかったためで、来年度前期の講座は和歌山市栄谷の大学構内で行う方針。

観光学部には110人程度の入学定員枠を設ける予定。「地方の再生・振興」を掲げ、当初は学部の拠点を、旧丸正百貨店ビル(同市本町)と三井生命ビル(同市北汀丁)、和歌山東急イン(同市南汀丁)の3カ所に置く予定だった。

講座の教室にと考えていた三井生命ビルの事業者との交渉が決裂。小田学長によると、共益費が予想以上に高く「相手先のビジネスと条件が合わなかった」と話している。

旧丸正百貨店ビルでは「観光学部サテライトキャンパス」として研修やセミナーを行う予定で交渉する。和歌山東急インでも空きスペースを利用したいという。

小田学長によると、同市の大橋建一市長から、市内の発明館や伏虎中学校北別館の空きスペースの利用を打診されているという。

来年度の前期については、現在の学舎を活用する予定。学舎の稼働率は55〜60%で特に支障はないと説明している。

小田学長は「詰めが甘かったが、観光学部の性質から大学の外に拠点を設けることは良いと考えているので今後も模索していく」と話している。