時事通信配信記事 2007年10月24日付 ●教育再生、冷めた熱気=教育再生会議 教育再生会議が23日再開し、「あまり教育の話をしたことがない」と自認する福田康夫首相は表向き教育改革への意欲を語ったが、年金問題などに比べ優先度は低下し、安倍政権時代の熱気はすっかり冷めた様子だ。委員の1人は「文部科学相だった町村信孝官房長官に主導権が移った印象だ」と話す。池田守男座長代理は「会議が目指す理念、目標として『自立と共生』をキーワードにする」と、あからさまに福田首相にすり寄ってみせた。 当の福田首相は「いろいろな発言が飛び交い、注目を集める会議と認識している」「世間にアピールしているのは委員の皆様方の個性によるものかと大変力強く思っている」と、皮肉とも取れる微妙な言い回しであいさつ。同会議に対して距離を置いている印象を与えた。 提言の実現には予算が必要となるが、町村官房長官は先月の会見で「充実した報告書をまとめるに当たり、いつでなければならないという会議ではない」とこれまで12月を目指していた3次報告の取りまとめを急がない考えを表明。年末の来年度予算案編成に反映されないとなれば、せっかくの提言も「言いっ放し」になりかねない。 ●教育再生会議3次報告の主な検討課題 教育再生会議の3次報告に向けた検討課題は以下の通り。 (1)教育再生の着実な実行=全国学力・学習状況調査の検証・活用▽時代の変化に合った教科や教育内容の在り方(「教育院〈仮称〉」構想、小学校からの英語教育など)▽教員養成、教員採用などの改革、校長の権限など学校運営 (2)教育システムの多様化、弾力化=就学前の家庭教育、親の学びの充実▽小中一貫教育など6・3・3・4制の在り方、飛び入学等▽大学入試、試験方法の改革▽大学・大学院等のさらなる改革(学部教育の見直し、大学・大学院への財政支援の在り方) (3)社会総がかり、省庁総がかり、現場中心主義=教育水準保障の仕組み(学校、教育委員会の第三者評価などの在り方)▽教育バウチャーの在り方、学校の適正配置の在り方▽問題を抱える子どもや家庭に対応する教育、福祉、警察等の連携システム |