『高知新聞』2007年10月23日付

高知大学長問題 選考会議無効を決議
2学部、1研究科 「不正な意向投票参考」


高知大学の学長選考会議の決定をめぐり二十二日、同大の教育・人文の二学部と大学院黒潮圏海洋科学研究科が臨時教授会を開き、学内意向投票について、「投票管理委員会の了承なしに事務職員が票を再集計したこと自体が不正。これを参考にした選考会議の決定は無効」などとする決議を採択した。理学部も二十四日には臨時教授会を開いてこうした動きに同調する方向で、農学部と医学部をのぞく学部が、選考会議の決定に異論を唱える形となった。

同大の学長選考は現学長の相良祐輔氏(72)と黒潮圏研究科長の高橋正征氏(65)を候補者に17日行われ、学長選考会議(篠和夫議長)が相良氏再任を決めた。これに先立ち、5日に行われた「学内意向投票」では二通りの得票数が判明。開票をめぐって「ミスか不正があった」可能性を同会議が明らかにした。

臨時教授会では人文・教育・黒潮圏研究科のいずれもが、学長選考会議の選考結果を、「議決には出席者の過半数がいる」としている会議規則に反しており無効とし、意向投票の真相究明と選考会議を公開の場でやり直すことなどを決議。

さらに、教育と同研究科は「意向投票を監督・統括する事務局長と不正行為に関与した職員の厳正処分」などを、人文は「現在、選考会議の管理下にある投票用紙などの『証拠』の保管と、第三者による調査委員会の設置」を求めている。

また、同研究科は「透明性を欠いた組織運営の実態を露呈したことは、法人の長たる学長の責任」として、相良学長に対する説明責任にも言及。篠議長と河本朝光事務局長と相良学長にそれぞれ「公開質問状」を提出する。

一方、高橋氏を学長候補に推薦していた教授らが、22日中の回答を求め提出していた「公開質問状」について、河本事務局長は「現在、17日の会議の議事録について各議員が確認中で期日に回答できなかった。今後、意向投票の結果についても、投票管理委員会の報告に基づきどんな議論がされたか、はっきり示したい」としている。

(高知大学長選考取材班)