『日本経済新聞』2007年10月23日付 岩手大学発ベンチャー、国内初の動物専用鍼灸針を開発 岩手大学発ベンチャーの「いわて動物鍼灸(しんきゅう)センター」(盛岡市、首藤文栄社長)は、動物専用の鍼灸針を開発、年度内にも発売する。東北大学の千葉晶彦教授らが開発した生体アレルギーを起こさない新合金を応用。国内初の本格的な動物用治療針となる。はり・きゅう治療は抗生剤やホルモン剤などの薬物投与に頼らない治療方法として注目されており、食の安心・安全にこだわる畜産業者や、競走馬関係者の需要を見込む。 動物用治療針は東北大学の千葉教授らが新開発したコバルト―クロム―モリブデン合金を使用して、開発した。この合金は生体アレルギーを引き起こすニッケルを含まず、耐摩耗性などに優れ、人工関節やステントといった医療分野での用途開発が期待されている。 新合金製の針は現在主流のステンレス製より高弾性で変形しにくく、皮膚の硬い大型動物にも適する。また、動物によって太さや先端形状を変え、動物の毛に隠れて見えなくならないようサイズごとに赤、青、緑など色別の持ち手を付けた。電気治療のための電極の取り付け部も作った。 |