共同通信配信記事 2007年10月18日付

医局、3年連続半数割れ 学生の臨床研修先


来春卒業する医大生ら約8000人が臨床研修をする病院のうち、大学病院が占める割合は49・1%となり、3年連続で半数を割り込んだことが18日、日本医師会などでつくる協議会が公表した「マッチング」結果で分かった。

今回も地方の大学病院の定員割れが目立ち、「雑用が多い」「市中病院の方が経験が積める」などの理由で医局での研修を敬遠する傾向が続いているとみられる。人手が足りず、過疎地に派遣していた若手医師を引き揚げる大学病院もあるとされ、現場では医師不足への懸念が強まりそうだ。

マッチングは、医大生と病院双方の希望を基に研修先を決める方式。2004年度から義務化された新しい臨床研修制度に伴って導入され、今回が5回目。

研修先に大学病院が占める割合は昨年より0・3ポイント上昇し、2年連続で微増。初めて半数を割り込んだ05年以降、低下に歯止めはかかっているが、約70%の研修医が集中していたマッチング導入前と比べると「医局離れ」がほぼ定着した。