『山形新聞』2007年10月16日付

がん専門医養成へ連携 山形大など南東北の3大学


南東北のがん医療のレベル向上を目指し、山形大と東北大、福島県立医科大は、連携して専門医療人を育てる「東北がんプロフェッショナル養成プラン」をスタートさせる。3大学の協定締結式が16日、仙台市の東北大医学部で行われた。来年度から3大学の大学院に放射線や化学療法などのコースを設置し、共通の教育プログラムを実施。がん専門の医師や看護師、薬剤師らを育成する。

協定締結式では、嘉山孝正山形大大学院医学系研究科長、菅村和夫東北大大学院医学系研究科長、藤田禎三福島県立医科大副学長が協定書を交わし、「社会の要請であるがん医療の均てん化に真剣に取り組む」などとあいさつした。

同プランは、放射線や化学療法などの「腫瘍(しゅよう)専門医養成コース」、看護師や薬剤師、放射線技師ら向けの「コメディカル養成コース」、現場の臨床医らが専門科目を履修する「インテンシブコース」の3つを柱に、3大学院に計35のコースを設置する。山形大は8コース。

単位互換制度やインターネットスクールを活用し、東北大を中心に、 各大学の教員が協力して教育に当たる。臨床実習の場として、大学付属病院や各県のがん診療連携拠点病院とも連携する。来年度から学生を受け入れ、医師と医療スタッフそれぞれ年間20人以上を養成する目標。

国ががん対策として全国18カ所で進めるプランの1つ。 東北地方は、がん罹患(りかん)率が高く、専門医の不足も課題とされ、3大学の資源を生かすことで南東北の医療レベルの高度化、 均てん化を図る。