『北海道新聞』2007年10月12日付 札幌で来夏、主要国大学学長会議 環境テーマに世界へ提言 来年七月の北海道洞爺湖サミットに連動し、北大など国内の主要大学が「世界学長サミット」を計画していることが十一日、分かった。時期は洞爺湖サミット前の来年六―七月で、開催地は札幌が有力視されている。G8各国の主要大学を中心に世界三十―五十の大学の学長が参加、環境や教育などをテーマに議論を交わして宣言文を採択し、主要国首脳に学術界からの働きかけを行う場になりそうだ。 文部科学省によると、サミットと連動した形で世界主要大学のトップが一堂に会する会議は「過去に例はないのではないか」(国際課)という。 同省などによると、国内から参加するのは東大、京大などの旧帝大に加え、早稲田大、慶応大などの私立大で計十―十五大になる見込み。海外からはハーバード(米国)、ケンブリッジ(英国)、モスクワ(ロシア)などG8各国からそれぞれ二―三の主要大学のほか、G8以外でもサミットに首脳が招かれる見通しの中国やインドの大学に学長出席を打診する。 北大や東大などが既に発起人会を発足させており、国内の参加大学とともに十一月上旬に実行委員会を設立、開催地を正式決定する。その後、海外の大学に出席を呼びかける。会議の具体的なテーマなどは実行委で詰めていくことになるが、サミットの主要テーマが環境であることから、地球規模の問題に対処するための方策や人材養成、研究などを軸に話し合うことになりそうだ。 札幌開催が決まれば、北大は受け入れ側として中心的な役割を担うことになる。本堂武夫・北大副学長は「自然環境と調和した持続可能な社会をどう実現していくか。主要国の研究・教育機関として、責任ある発信を世界にしていきたい」と話している。 |