『毎日新聞』2007年10月11日付 県立高知女子大:再編・統合、関連予算を全額削除 修正動議を可決−−県議会 /高知 県立高知女子大の再編・統合問題で、関連予算を全額削除する予算修正動議が10日の県議会本会議に提出され、賛成多数で可決。6月定例会に続き「ノー」を突きつけ、計画を一時凍結した。県は09年4月に池キャンパスへの統合を目指していたが、整備計画のずれ込みを余儀なくされる結果となった。【服部陽】 今議会に提案された女子大関連予算は、造成工事費など約9790万円。4日の県議会企画建設委員会では賛成多数で可決されていた。この日の本会議では、県民クラブと公明の2会派が女子大の予算を削除する修正案を提出。坂本茂雄議員(県民ク)は「移転に反対する県民や学生らの意見は根強く、県民と県の議論の熟度が高いとは言えない。県の財政見通しも甘い」と説明。採決の結果、議長を除く議員38人のうち、20人が修正案に賛成して成立した。 委員会で賛成した「共産党と緑心会」(田頭文吾郎会長、5人)が、同大文化学部による移転白紙撤回決議などの問題が浮上したことで、「再編・統合に学内の意思統一がされておらず、県民から信頼される大学にならない」(田頭会長)などとして、反対に回ったことが影響した。 6月定例会では造成工事費など約1億900万円を計上したが、総事業費が約100億円とされたことから、県議会が反発。今議会と同様に造成工事費を予算から削除した。県は、看護や社会福祉の人材育成の必要性を訴え、看護学部の拡充などに理解を求めたが、凍結により、09年3月で廃止される県立総合看護専門学校の受け皿がなくなるなど、県民への影響が出る可能性がある。 計画凍結を受け、橋本大二郎知事は険しい表情で「残念だ」と言葉少な。「議会に対し、十分に説明したつもりだった。新知事に判断を求めるしかない」と話した。担当の十河清・政策企画部長は「スケジュールがずれ込むが、構想自体が反対されたわけではない。大学内での意見の不一致などが影響し、どう改善していくか学長とも相談したい」と話した。 |