『北海道新聞』2007年10月10日付 人材育成で産学連携 道央6商工会議所 札幌、首都圏に対抗 【苫小牧】苫小牧、千歳、室蘭、恵庭、伊達、登別の道央圏の六商工会議所は、地元の大学などと連携して即戦力の人材育成を目指す人材開発分科会(仮称)を設立する。十五日に苫小牧市内で準備会を開く。当面は室蘭工大、苫小牧高専、千歳科学技術大とインターンシップ(職場体験)事業を行い、優れた技術者の獲得と社会人教育に力を入れる。商工会議所が人材育成で連携する取り組みは道内では珍しい。 道央圏では自動車関連など製造業の集積が進む一方、技術系学生の大半は札幌や東京に就職。また技術はあっても社会常識が十分に身に付いていないなど即戦力として雇用しにくい状況もある。 分科会では、千歳の学生に室蘭での職場体験の機会をつくるなど、札幌や東京以外の就職先の選択肢を広げるのが狙い。同時に、企業が求める人材を学校側に理解してもらい、求人と求職のミスマッチの解消にもつなげる目的もある。 将来は三校での単位互換制度の導入や、道央圏の他校との連携も模索する。分科会の設立を呼びかけた苫小牧商工会議所の首藤武洋専務は「札幌の対立軸として、道央圏という一つの産業地域の発展につなげたい」と話している。 |