『埼玉新聞』2007年10月9日付

テニスコート改修 地元企業と埼大が連携


さいたま市桜区下大久保の埼玉大学(田隅三生学長)で「体育の日」の八日、地元企業と連携する同大学の運動施設維持管理開放事業で改修が終わったテニスコート六面のオープンセレモニーが行われた。

同事業は、学内の運動施設の維持、管理を地元企業に委託。老朽化した施設を改修して地域に有料で開放し、地域スポーツ振興に役立てる新しい仕組み。全国でも初めてという。

国立大学が三年前に法人化され大学運営交付金が削減され、運動施設の劣化が目立っていたことが発端。維持、管理の事業組合設立を決め、地元企業四社が出資、今年二月末に「SARI有限責任事業組合」が設立された。

テニスコート六面の改修は同事業の第一弾。同組合では結果がよければ今後、サッカー場などほかの運動施設を順次手掛けていく予定で、併せて各種スクールも開設するという。

セレモニーは人工芝に生まれ変わったテニスコートで行われ、テープカット、始打式などがあった。田隅学長は「二年半かけて実現した国立大としては全国初の試み。ぜひ発展させていきたい」とあいさつ。

門脇佳典SARI代表職務執行者は「学長の大変な決断の後ろ盾があってここまでこぎ着けた。ここがスポーツのメッカとなるよう力を注いでいきたい」と述べた。学生代表の中村麻衣子硬式テニス部女子主将は「新しいコートでよりいっそう練習に励んでいきたい」とお礼を述べた。