『十勝毎日新聞』2007年10月6日付 帯畜大学長に長澤氏 任期満了に伴う帯広畜産大学の学長選考で、5日午後に開かれた選考会議の結果、次期(任期2008年1月−11年12月)学長に、現副学長の長澤秀行氏(52)が決まった。全国の国立大学の中では最年少の学長となった。会議に先立ち、教職員による意向聴取投票でも、長澤氏が他の2候補に大差を付けて得票、同会議ではこの結果が大きく反映された。 学長選には長澤氏のほか、京都大名誉教授の佐々木義之氏(64)、元北大副学長の冨田房男氏(68)が、20人以上の推薦を受け、立候補していた。 意向聴取投票では有効投票数187票のうち、長澤氏が123票、冨田氏が39票、佐々木氏が25票だった。そのうち事務系職員を除く教員の有効投票数は106票で、得票は長澤氏が55票、冨田氏が33票、佐々木氏が18票。長澤氏は常勤事務系職員から8割を超える支持を獲得、全体でも6割以上の得票でほかの2人を圧倒した。 選考会議では「各階層から最多の得票があり、人格、学識、運営・執行能力を備えている」と評価された。 (成田融) 「地域課題解決 学術で貢献」 −理想の大学のビジョンは。 具体的には大学は人材育成。学生が学ぶ環境をより良くしていきたい。どこの大学も少子化、予算、評価などの面で厳しい状況に置かれている。社会の情勢に対応し、環境を生かして、夢や活気ある大学にしたい。 −運営方針は。 本学は特色ある大学として、社会や国からも高く評価されており、さらに伸ばしていきたい。6年前から副学長という職務でマネジメントについて経験を積み、法人化後の流れを理解しているので、その経験を大学経営に生かしていきたい。 −地域との連携についての考えは。 本学ほど恵まれた大学は国内でも少ない。自然環境だけはなく、教育研究環境として日本の食料倉庫に位置しており、本学の研究内容が地域と一致している。大学の果たす役割として地域が抱えている課題を解決していくために、学術的に貢献するのが使命。地域が何を望んでいるのか、現状を把握し、協力していきたい。各研究機関、民間組織、自治体などと、連携の輪を広げるのも必要。 −運営費の獲得については。 運営費交付金が削減されている現状から、競争的資金を積極的に取りにいきたい。最近は研究費に限らず、教育費についても導入している。そのために全学一丸となって取り組む必要がある。全学的にコーディネートして、国家規模、国際的な研究経費についても獲得していきたい。 長澤秀行氏 旭川市出身。1978年、帯広畜産大学畜産学部獣医学科卒、95年に同大原虫病分子免疫研究センター教授、徳島大(非常勤)、岐阜大、旭川医科大(非常勤)を経て、2001年に同センター長、02年から副学長。専門は免疫学。学生時代からラグビー部に所属し、現在も現役で社会人チームで活躍している。 |