『京都新聞』2007年9月27日付 京大、慶大と連携協定 再生医療などで共同研究 京都大と慶應義塾大は27日、教育研究で連携協力を進める基本協定を締結した。同日、慶大三田キャンパス(東京都港区)で京大の尾池和夫総長、慶大の安西祐一郎塾長が協定書を交わした。「ヒト・社会・地球」をテーマに、再生医療などの分野で共同研究を進め、アジア地域の学術ネットワークの構築や若手研究者の育成を図る。 京大の基礎研究、慶大の実学というそれぞれの特色を生かし、共同研究の実績のある医学・生命科学、経済学、地域研究と人材育成の4分野で重点的に協力関係を発展させる。 具体的には▽体細胞由来の多能性細胞「iPS細胞」を用いた神経難病の画期的な治療法の開発▽京大の海外拠点と慶大の情報ネットワークを連携したアジア学術ネットワークによる新たな地域研究の創出▽大学院生の交流による基礎と実学双方を踏まえた国際的な人材育成−などを進める。 2大学の連携を推進するため「慶應義塾大学・京都大学連携基金(仮称)」を創設、研究者や学生の交流に役立てる。また、「ヒト・社会・地球100人連携ワークショップ」を連続開催し、連携分野の拡大と成果の社会への発信を進める。 尾池総長は「アジアにおける京大のリアルなネットワークと慶應のバーチャルなネットワークを結びたい。将来は学生が2大学で学位が取れるようにできれば」、安西塾長は「人と社会と地球のための協力はトップレベル大学の責任。若い研究者の武者修行の場も作りたい」と話した。 京大は、これまでに早稲田大と連携協定を締結、ビール「ホワイトナイル」の共同開発などを進めている。 |