『信濃毎日新聞』2007年9月22日付

大学奨学生にも支援 南箕輪村が保証金を全額補助


上伊那郡南箕輪村は来年度、大学に進学する村内の若者が金融機関から奨学金を借りる際に必要な保証金を全額補助する支援制度を始める。大学卒業後、奨学金を借りた期間と同じ年月、村内に住んだ場合は、返済利子の一部も補助する。唐木一直村長は「大学の教育費は子育て世帯最大の負担の1つ。社会人になるまで子育てをサポートできる制度を整備したい」と話している。

支援制度の対象は、世帯主の年間所得が300万円以下の世帯の大学生に限る方針。村によると、対象世帯は村内の約48%になるという。上伊那地方の大学進学率は約7割といい、村内の大学進学者数を推計すると毎年約110人前後で、制度対象は約50人と見込む。

村によると、大学生を対象にした金融機関の奨学金制度で年間100万円を借りた場合、8万円前後の保証金を支払う必要がある。来年度予算には400万円を計上する方針だ。

村は本年度、小学6年生までの医療費全額補助を始めたほか、昨年度から村内全保育園で時間外保育を行っている。子育て支援が重点施策の1つだ。大学に進学しない若者も村内に少なくないが、唐木村長は「村づくりは人づくり。村の将来への投資と考えている」と説明している。