『陸奥新報』2007年9月20日付 高度救命センターの必要性訴え 弘大学長、医学部の定員増に前向き 弘前大学が設置を目指す高度救命救急センターについて、遠藤正彦学長は19日の定例記者会見で、「研修医が増えることや、若手への魅力の面からも県に必要性を訴えてきた」と述べるとともに、現在のところ文部科学省の概算要求に入っていないことから「県の医療計画で示されないと(文部科学省が)回答できないのでは」とし、県の今後の動向に注目した。 高度救命救急センターは弘大が設置を目指し、来年度の概算要求に盛り込んでいた。津軽地域には救命救急センターがないことから、8月には弘前市民有志が津軽地域の救急医療を考える市民フォーラム(堀川永一郎会長)を発足させ、県に対して設置を求める署名活動を展開している。救命救急センターは、都道府県知事の要請で病院開設者が整備・運営する。 遠藤学長は設置について「弘大は中核病院であることを考え、ふさわしいのであろう、そうすべきであろうと、その準備をしている。その中でも『高度』で展開したいと思っている」との考えを示し、さらに「研修医を受け入れるという面で、高度救命救急センターは若い人に魅力がある」と、医師確保という点にも期待した。 また「弘大が概算要求したが、地元から配置要望が出ていないと難しいこと。市民による署名活動などを歓迎している。まずは市民がその制度や内容、現状を十分に理解してほしい」と、地域住民が地域医療を考えることの重要性を述べた。 その中で、国立大学法人として国からの予算が減らされる中、センター設置に伴う弘大医学部付属病院の負担増を見込み、大学にとって設置は「不採算」とし、行政からの人員配置など財政的な支援に「期待している」と話した。 このほか、医学部の定員増について、来年度から十人増に加え、さらに国が五人増を認めることを発表したことについて「十分に対応する」と前向きな姿勢を示した。 |