『西日本新聞』2007年9月19日付

「留学生受け入れやすい」 「春の就職考えると疑問」 大学入学時期自由化 九州は反応分かれる


文部科学省が18日、入学時期を大学の裁量に委ねる方針を明示したことについて、九州の大学では歓迎の声もあれば「利点があるのか現段階では分からない」といった意見もあり、反応が分かれた。

既に大学院の一部で秋の入学を実施している九州大は「本格的な導入を検討したい」と好感。同大学務企画課は「諸外国と同じく入学時期を9月とすれば、アジアからの留学生を受け入れやすくなる。実現にはさまざまな課題もあるだろうが、国際化は大学の方針でもあり、選択肢の拡大は歓迎」とする。

熊本大は、6月に政府の教育再生会議が「9月入学の大幅な促進」を盛り込んだ第2次報告を提出したことを受け、学内で協議を始めている。秋季入学者のカリキュラム編成をどうするかなど「問題点や課題を整理している段階」(入試課)といい、さらに検討を進める考えだ。

これに対して、西南学院大入試課は「帰国子女の入学にはメリットだが(4月入社が主流の)就職のことまで考えると、利点と言えるかどうか疑問」。福岡大教務部も「仮に4月、9月ともに入学時期を設けても、2つのカリキュラムを構成するのは簡単ではない」という。

鹿児島大入試課は「白紙の状態。文科省の通知が来てから検討する」と、今は静観の構えだ。