時事通信配信記事 2007年9月18日付

大学9月入学、全面自由化=年内に規則改正


海外からの帰国生徒や優秀な留学生の受け入れを容易にするため、文部科学省は18日、大学の9月入学を全面的に自由化する方針を決めた。学年の期間を「4月から翌年3月まで」と定めた学校教育法施行規則を年内に改正する。大学側としては、それぞれの裁量で学年の開始と終了時期を自由に決めやすくなる。

一方、3月の高校卒業から半年間の空白が生じることや多くの企業で新卒採用の時期とギャップが生じる状況は変わっておらず、9月入学の定着には今後、こうした課題の解消がカギとなりそうだ。

9月入学は欧米で一般的なため、日本から海外留学した高校生や外国からの留学生が日本の大学には入りにくく、人材流出や国際競争力の低下につながるとの指摘が大学関係者から出ていた。

教育再生会議(野依良治座長)は6月の第2次報告で規則改正による大幅な促進を求めたほか、政府の「骨太の方針」でも「全国立大での9月入学枠設定」を掲げていた。

現行の規則でも、学年の途中で学生を入学させたり卒業させたりできるが、改正後は原則を9月入学とし、カリキュラムもそれに合わせて編成するなど柔軟な対応が可能になる。

文科省によると、現在、9月入学を実施しているのは全体の2割に当たる153大学(国立27、公立8、私立118)の322学部。4月以外の入学者は、2005年度で全入学者の1%に満たない計1569人だった。