『北國新聞』2007年9月13日付 金大、赤字に転落 06年度決算 3億円の損失計上 病院再開発が影響 文部科学省は十二日、法人化された国立大八十七校と四つの大学共同利用機関の二〇〇六年度決算を発表した。金大は総損失三億円となり、積立金を取り崩す処理案を文科相に提出した。赤字だったのは金大のほか岐阜大、旭川医大、自然科学研究機構の二校一機関。北陸先端科技大学院大は総利益二億円となり、次年度に繰り越すための教育研究目的積立金に申請した。 金大は附属病院が十億円の収益増となるなど、経常収益は前年度に比べ十五億円増の四百四十三億円となったが、新しい診療報酬体制に対応するため増やした看護師の人件費などがかさみ、経常費用も同十七億円増の四百四十五億円となった。積立金五億円を充当したが、病院再開発事業に伴う臨時損失七億円もあり、赤字に転落した。 負債についても、附属病院の新外来診療棟整備に伴う借入金残高や病院再開発事業などの未払い金が増え、前年度より七十一億円増加した。 北陸先端大は、人件費の減少や光熱水道費の節減などで経常費用を前年度から一億円削減し七十二億円とした。経常収益は運営費交付金などの減少が響き同二億円減の七十四億円で、次年度に繰り越せる金額は前年度に比べ約一億円減った。 給与については、常勤教職員一人当たりの年間平均支給額が金大で約七百三十八万円、北陸先端大で約六百八十六万円。常勤役員一人当たりの平均支給額は金大が約千四百七十万円、北陸先端大は約千五百六十七万円だった。 全国の利益総額は〇五年度より五十七億円多い七百七十三億円。そのうち外部資金調達など経営努力による利益は四百七十一億円で六割を占めた。 |