『読売新聞』2007年9月12日付 世界レベルの研究拠点へ、東大など対象機関に 文部科学省は12日、科学技術分野で世界最高水準の研究機関づくりを目指す「世界トップレベル研究拠点プログラム」の初の対象機関に、東京大など5大学・研究機関を選定したと発表した。 優れた頭脳の獲得合戦が世界で激化する中、今後10年間で数百億円を集中配分。研究者の3割は外国人を招請し、公用語は英語にするなどして、相対的に低下している日本の国際競争力を向上させる狙いがある。 選ばれたのは、東京大のほか、東北大、大阪大、京都大、独立行政法人の物質・材料研究機構。プログラムには、13大学と9研究機関が応募したが、理化学研究所のほか、北海道大や名古屋大などは選定からもれた。 選ばれた大学・研究機関は主任研究者(教授・准教授相当)の半分以上が国際的な賞の受賞歴を持ち、論文被引用数などが世界トップ級であることなどが条件。 プログラムは今年度からスタートし、1拠点当たり従来の10倍程度の十数億円を毎年投入。それぞれが得意とする材料、宇宙科学、再生医療などの研究拠点として、外国人研究者も研究に専念できる研究・居住環境を整備する。 背景には、国内トップの東京大ですら、米誌ニューズウィークの「世界の大学ランキング」では16位に甘んじ、英ザ・タイムズ紙には19位と判定されるなど、世界では低い評価になっていることがある。 同省はこれまで、優秀な大学に教育・研究資金を重点配分する「21世紀COEプログラム」(274拠点)を2002年度から、さらに対象を絞り込んだ「グローバルCOEプログラム」(150拠点予定)を今年度から進めているが、今回は大学以外の研究機関にも対象を広げた上で、教育機能は免除して研究に特化させる。 |