『山形新聞ニュース』 2007年9月3日付

大胆に事務の合理化進める 山大の結城新学長が就任会見


山形大の結城章夫新学長が3日、山形市の同大小白川キャンパスで就任会見を開き、「大学のしがらみにとらわれることなく、社会の常識に従って外からの思い切った改革に取り組んでいく」などと抱負を語った。

今月1日付で就任した結城学長は「法人化によるメリットが生かされていない現状にある。意思決定のスピードアップ、事務の合理化・簡素化を思い切ってやっていく」と強調。経営判断の基準として▽国立大はユーザーである学生のために存在する▽大学には毎年120億円を超える税金が投入されている以上、社会に対して開き、国民に対して説明責任を負う−ことの2点を挙げた。

結城学長は村山市出身。山形東高を経て、東大工学部を卒業。 1971(昭和46)年に旧科学技術庁に入り、2005年1月から07年7月まで文部科学事務次官を務めた。

会見には、新理事でいずれも専任の副学長を兼ねる中島勇喜(63)、河田純男(58)、小山清人(58)、北野通世(57)、田村幸男(60)の5氏も同席。学内の意向聴取投票で最高得票だった小山氏を理事に任命したことについて、結城学長は「あれだけの票を集めたということは、人望や能力があることの証明。さまざまな見方はあるが、選挙は選挙。良い大学をつくるために、ベストの方を理事に選んだ」と説明。小山理事は「学問の府である大学を発展させる手法の部分で、意見が合わなかったが、それは(学長選考で)既に結論が出ている。私を捨て、大学を良くするために働きたい」と述べた。