『下野新聞』2007年8月21日付

産学連携で炉材開発


窯業の田沢工業(佐野市豊代、田沢秀文社長)は、群馬大工学研究科と「不定形耐火物の製造方法」について共同研究を始めた。

同社は製鋼用耐火炉材である「ドロマイトクリンカー」を製造する国内唯一のメーカー。しかし近年は中国の「マグネシアクリンカー」などが入ってきており、将来的に輸入製品との競争力を考えた場合、炉材の改良が大きな課題だという。

そのため同社は三月、「安定した焼成ドロマイトおよび石灰に関する研究を行い、国際的に競争力のある高耐候性・高品質耐火物である新製品の開発を行う」とする内容で、県の経営革新計画の承認を受けた。一方で、取引先銀行の東和銀行(前橋市)のビジネス交流会に参加し、群馬大との共同開発を決めた。

経営革新計画は今年から五年間、共同研究は三年間の予定。同社は今後、群馬大と共同で焼成技術と熱化学反応を研究し、高品質で安定した商品の開発を目指す。