『南日本新聞』2007年8月1日付

研究棟「北辰蔵」完成 鹿大焼酎学講座
情報発信の拠点目指す


鹿児島大学が4月から農学部に開講している焼酎学講座の実験研究棟が完成し、31日、開所式が行われた。酒蔵風の施設は「北辰蔵」と名付けられ、研究と教育だけでなく、焼酎文化の情報発信の拠点を目指す。

2階建てで、延べ床面積は約430平方メートル。実験機器などを含めた総事業費は約1億3000万円。研究棟前であった式典には、大学関係者だけでなく県酒造組合連合会や県など産学官の関係者ら約200人が出席。焼酎を蒸留する実験機器や麹(こうじ)を造る実験室などが披露された。

「薩摩の歴史と焼酎」と題した記念講演会では原口泉同大教授が「幕末の造士館のように、地域の課題を解決できる人材を育ててほしい」などと語りエールを送った。

同講座は焼酎製造学、醸造微生物学の2研究室からなり、客員教授の小泉武夫東京農大教授のほか5人の教員が指導する。2007年度の受講生は学生8人、大学院生4人。焼酎製造学研究室の鮫島吉廣教授は「活動の場ができたので、地域産業を担う人材を育てて、世界に情報発信していきたい」と意欲を見せた。