『毎日新聞』島根版2007年8月2日付

島根大:がん医療のプロ育成 鳥取、広島両大と連携 人材を相互補完へ


中国地方の中山間地におけるがん医療の格差をなくそうと、島根大と鳥取大、広島大の3大学が共同してがん医療に携わる人材の育成を行うプログラム「銀の道で結ぶがん医療人養成コンソーシアム」を今年度から開始する。各大学の特色をいかし、効率的にがん専門医、専門スタッフの育成をはかる。

がんは日本人の死亡率1位を占めるが、がん医療の担い手となる高度な技術・知識を持った医師や医師以外の医療者(コメディカル)が不足し、育成が急務となっている。このため文部科学省はがんに特化した医療人育成を支援する「がんプロフェッショナル育成プラン」を各大学に募集。島根大の共同プログラムはこのひとつに選ばれた。5年間に約5億円の財政支援が受けられる。

中国地方は面積が広く、人口やがんの医療機関もまばらに分布。同プランでは3県の3大学の大学院研究科が連携してがん医療に携わる人材の相互補完をはかる。各大学が特化する領域を互いに補完しあい、多くの症例にもあたることができるメリットがあるという。具体的には、人材交流や単位互換▽コンピューターを使った遠隔地教育▽テレビを使った3大学との情報交換や国立がんセンターとの会議▽コメディカルの講習会、などを予定している。

大学院ほか、3県内にある各病院、大阪府立成人病センター(大阪府)や国立がんセンター東病院(千葉県)などとも連携を開始。年間の受け入れ人数は医師26人、コメディカル8人を目標にしている。【細川貴代】