『毎日新聞』和歌山版2007年8月3日付

和歌山大:来年度開設・観光学部の拠点、三井生命ビルなど3カ所に


和歌山大(和歌山市栄谷、小田章学長)が、来年度の開設を目指している観光学部の拠点について、旧丸正百貨店ビル(同市本町)に加え同市北汀丁の三井生命ビルと、同市南汀丁のホテル和歌山東急インの空きスペースの利用を計画していることが2日、分かった。大学側は「講義場所の確保が課題。この3カ所で必要施設をどう配置するか検討し、市街地の活性化を担っていきたい」としている。

観光学部は地域振興、地域再生への貢献を掲げ、長期的な観光戦略を描くことのできる人材の育成や、観光学の確立を目指す。現在、同大学のキャンパスは市郊外にあるが、同学部については、学生が集まることで活性化に寄与しようと、空洞化が進む中心市街地に拠点を設ける方針が示されていた。約20年前までは中心部にキャンパスがあり、小田学長は「大学が残れば、ここまでさびれることはなかったと思う。集客による経済効果の高まりも期待できると思う」としていた。

登記によると、三井生命ビルは地下1階地上11階建て。今年5月25日に土地・建物とも所有権が売買され、大阪市内の不動産業者が取得している。【最上聡、久保聡】