『山形新聞ニュース』 2007年7月26日付

山形大次期学長結城氏−選考会議の投票で決まる


山形大は26日、仙道富士郎学長の任期満了に伴う学長選考で、 前文部科学事務次官の結城章夫氏(58)を次期学長に決めた。次官経験者が、国立大学長に転身するのは極めて異例。任期は9月1日から4年間。

各学部から推薦された候補者は結城氏のほか、小山清人工学部長(58)、加藤静吾前理学部長(62)、中島勇喜農学部長(63)の4人。25日に行われた「学内意向聴取」と呼ばれる教職員の投票では、結城氏以外の候補者が小山氏に事実上一本化。大学が公表した得票結果によると、有効投票数798票のうち、結城氏は355票で、378票の小山氏を下回った。

学外委員が半数を占める学長選考会議(坪井昭三議長)の協議では、 得票数上位の3氏からヒアリングした後、委員が無記名投票した結果、結城氏10票、小山氏4票となり、結城氏を次期学長に決めた。

坪井議長は「視点が広く、山形大そのものをどう特徴ある大学にするかという点について、はっきり表明された点が支持されたと思う」と語った。意向聴取で2位の候補者を選考会議で学長に決めるのは、新潟大などでも先例があるとしている。

結城氏は村山市出身で、山形東高、東大工学部卒。1971(昭和46)年、旧科学技術庁に入庁。76年には米ミシガン大大学院で修士号を取得した。2005年、旧科技庁出身で初めて文科事務次官に就き、今月6日に退官した。

記者会見で結城氏は「山形の生まれで、郷里の発展に尽くしたいという思いはある。しがらみにとらわれることなく、社会の常識を判断基準に、外からの改革に積極的に取り組みたい」と抱負を語った。