『産経新聞』2007年7月26日付

阪大学長給与全国トップ、18年度 2位は東北大


大阪大が東京大を抜いてトップに−。今月公開された平成18年度の国立大学法人学長の報酬・給与で、阪大が前年度1位の東大を上回り、トップに躍り出た。文部科学省によると、学長の給与額で阪大が首位になったのは初めて。法人化前は、東大学長が国家公務員の最高額で、阪大学長は次のランクの額と定められており、阪大が東大を抜くことはなかった。阪大にとってはこれも法人化の成果?

18年度の学長の給与総額は多い順に阪大2482万円、東北大2479万円、京大2466万円、東大2340万円−で、東大は4位だった。ちなみに17年度は東大2482万円、阪大2461万円、京大2458万円−などの順だった。

国立大学長の報酬・給与は、法人化後もすべての大学が国の基準に沿って決めている。ただ、賞与の額に加え、人事院勧告による給与改定に伴い減った分を補償する「現給補償」を行うかどうかについては各大学の判断に任されているため、額の順位が上下するようになったという。

今回、人事院勧告を受け18年4月の給与改定で国立大学長の多くが約6.6%の引き下げとなった。しかし、阪大や京大などが国立大学法人の役員会判断で、緩和措置として現給補償をしたのに対し、東大はしなかった。このため基本給で東大と阪大との間に約70万円の差がついた。

旧帝国大の7大学中、現給補償をしなかったのは東大と名古屋大の2大学だけという。また、2番目の東北大は賞与が17年度に比べ約260万円アップしたことから総額で2位となった。

18年度の大学運営予算では、東大(約928億円)は阪大(約502億円)の約2倍の規模。英国のタイムズが発表する世界大学ランキングでは2006年は東大が19位、阪大が70位と東大の方が評価が高かった。

給与額で東大学長を上回ったことについて、阪大の宮原秀夫学長は「コメントはない」としている。宮原学長の任期は来月25日まで。新学長の給与については現給補償は適用されない。学長の報酬・給与は法人化後も国の基準に沿っているため、文科省の担当者は「19年度は再び東大がトップになるのでは」と話している。