『朝日新聞』2007年7月13日付

奨学寄付金の企業名を、大学は開示求める 内閣府審査会


内閣府の情報公開・個人情報保護審査会は12日までに、高知大学が保有する企業からの奨学寄付金の記録について、企業名を開示するよう求める答申を出した。同様の文書で大学に企業名開示を求める答申は国では初めて。

同審査会は05年1月、企業名を不開示にした大分大学の決定を「妥当」とする答申を出したが、今回はこれを覆した。05年の答申を理由に開示を拒む大学は多く、今後見直しが進む可能性がある。

今回の答申対象は、00〜05年度に高知大学医学部と付属病院が受けた奨学寄付金の受け入れ状況を示す文書で、週刊朝日の記者が開示請求した。大学側は企業名を不開示としたため、異議申し立てをしていた。

同審査会は、答申で企業名を明らかにしても、企業活動に影響を与えるほどではないと判断。さらに「企業と国立大学との関係の透明性を確保し、あらぬ疑念を抱かせないためにもその実態を明らかにする意義は大きい」とした。