『岩手日報』2007年7月14日付

岩手大大学院、秋入学へ 10年度実施向け検討


岩手大の平山健一学長は13日、盛岡市の同大で行った定例記者会見で、4学部の大学院の入学時期について4月から秋季(9−10月)への移行を検討していることを明らかにした。早ければ2010年度から実施する。国の国立大学改革案や国際化の進展を受け、実現すれば全国の国立大でも早い取り組みになる。教員免許法の改正で、同大が更新の講習を担うことについては「大学の負担増加になる」として、他の地方大学と連携して問題提起する考えがあることも示した。

大学や大学院の改革は、政府の教育再生会議が言及。公私立の大学が共同で大学院を設置できる可能性や、大胆な再編統合、秋季入学の促進などに触れている。

会見に同席した玉真之介副学長は「大学院の秋季入学は学内で検討に着手した」とし、具体的には「10年度実施をめどに、08年度には計画を立案したい」と述べた。大学の秋季入学は検討に入っていない。

同大は大学院を人文社会科学、教育、工、農学部それぞれに設置、定員は約292人。大学、大学院に24カ国約200人(5月現在)の海外留学生が在籍、大半は秋季入学の国の出身者で、秋季入学の検討は留学生の受け入れに加え社会人からの希望も背景にある。

法律改正で10年に1度義務づけられる教員免許の更新について平山学長は「県内教員の10%の講習を毎年受け入れるとなれば、大学は相当な負担となる。都市部と地方の大学の実情の違いも理解してほしい」と述べ、地域に密着した国立大の役割や経営路線などとともに国立大協会などで訴える考えも示した。

同大と秋田、弘前大が進める北東北3大学の連携について、斎藤徳美副学長は「共同プロジェクトは継続して実施するが、統合も視野にあった当時に比べれば自立路線が強まった」と述べた。