『日本経済新聞』2007年7月12日付

道内3医大が治験支援・9月に共同組織立ち上げ


札幌医科大学と旭川医科大学、北海道大学の道内3医大は9月、学内の基礎研究が新薬開発に結びつくよう支援する事業に乗り出す。共同で新組織を立ち上げ、創薬の前段階として欠かせないヒトを対象にした臨床試験(治験)について、手順書作成やデータ収集などのノウハウを教える。札幌医大の独立行政法人化など、大学の医学研究でも成果が求められる中で、医療ビジネスに結びつける狙いだ。

札幌医大などは9月までに「北海道臨床開発機構」を立ち上げる。製薬会社のOBや公的研究所の研究員を10人程度採用する。個々の基礎研究を審査し、研究資金を補助するほか、研究内容を製薬会社や医療関連会社に売り込む役割を担う。

大学内の基礎研究は、新薬材料として期待される物質が特定の病原菌にどう反応するかといった理論の確立が中心。研究をもとに医薬品を開発するには、了承を得た患者への投与による治験を重ね、効果や安全性を確かめる必要がある。