『朝日新聞』2007年7月3日付

横浜国大、博士課程入学者に最高360万円


横浜国立大大学院工学府が今年度から、大学院博士課程の入学者に最高360万円を支給する制度を導入した。国立大では最高水準の支援という。國分泰雄・工学府長は「優秀な学生が経済的な理由で進学をあきらめないようにしたい」と話す。

出願前に、研究の業績や計画に基づいて毎年10人程度を内定する。原則として3年間、毎月10万円または5万円を支給し、3年間で最高360万円になる。授業料免除や各種奨学金との併願も可能。今年度は8人が決まっている。

米国では博士課程の学生はTA(ティーチングアシスタント)やRA(リサーチアシスタント)などとして、給与をもらいながら研究するのが普通だが、日本では逆に授業料(同大では年額53万5800円)を払って研究するのが一般的だ。

さらに博士課程の学生の約3分の1が利用している日本学生支援機構の奨学金(月額12万2千円ほか)は貸与制。大学教員などに15年以上就けば返済を免除される制度が04年度に廃止されたため、経済的な理由から博士課程進学を断念する学生が少なくないとされる。