『北海道新聞』2007年7月2日付

医師不足対策で奨学金 道内勤務条件に来春実施


道内の医師不足を解消するために、北大と札医大、旭医大は1日、道内の都市部以外の病院で2年間働くことを条件に医師の資格がある大学院生に奨学金を支給する制度を連携して創設することを決めた。教育プログラムの一環として来春から奨学金支給を目指す。

北大によると、複数の大学が協力して医師派遣の制度を創設するのは全国初。今後3大学が中間法人か特定非営利活動法人(NPO法人)を設立し、募金で奨学金の基金をつくる。大手企業が募金に前向きな姿勢を見せており、今後道内の約600の病院や市町村に募金を呼び掛ける。

奨学金の支給対象者は医学部(6年間)を卒業後、2年間の臨床研修制度を終えた大学院生。来春は計20人程度、将来的には約100人を見込んでいる。大学院は通常4年間だが、3年目から2年間で1人当たり計数100万円の奨学金を支給する方針。代わりに修了後、道内の都市部以外の病院で2年間勤務してもらう。

大学院で最初の2年間臨床の経験も積むので、「医師不足に悩む病院で即戦力になる」(大学関係者)としている。大学院在学中は、3大学の単位を互換できるシステムもつくる予定。